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洋上風力の送電線整備に技術を応用。環境への影響を抑える掘削法とは?[NECネッツエスアイ]

通信インフラの設置工事を行う会社として設立され、長年、国内外のインフラの構築や保守に携わってきたNECネッツエスアイ。海底通信ケーブルで実績がある同社は、今後どのように洋上風力発電に取り組んでいくのか? 同社ネットワークインフラ事業本部の前川直記氏に話を聞いた。

海底通信ケーブルで実績
弧状推進工法を洋上風力へ

NECネッツエスアイは、NEC製品の据え付けをする会社として生まれた。現在はネットワークの構築を中心に手掛けており、洋上風力発電向けに「弧状推進工法」を打ち出している。この工法は、任意の計画軌道を高精度制御テクノロジーにより長距離掘削するもので、すでに海底通信ケーブルでは多くの実績がある。今回、新たに洋上風力発電から陸上へ送電線を通すために応用する。

通常、海底ケーブルは海岸に穴と溝を掘り、そこにケーブルを通すのがポピュラーだが、この方法だと海が濁ったりサンゴ礁を傷付けたりする恐れがあり、漁業関係者の不安がつきもの。また、防波堤やテトラポットなどがあると掘れないという問題も出てくる。だが、弧状推進工法ならそうした課題をクリアし、環境への負荷を最小限に抑えられる。

政府は洋上風力発電の拡大において、かなり高い目標を掲げている。「今後は政府目標達成に向けて、機材や技術者をもっと増やす必要があるでしょう」と、同社ネットワークインフラ事業本部の前川直記課長。技術者不足や補助金の整備など課題が多い洋上風力発電だが、同社は着々とインフラを担うための準備を進めている。

話を聞いた人

NECネッツエスアイ株式会社
ネットワークインフラ事業本部
第一キャリアシステム事業部
事業推進部 課長 
前川直記氏


取材・文/大根田康介

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