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新たに3海域が促進区域に 秋田県沖はラウンド2も激戦へ

経済産業省と国土交通省は30日、新たに「秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖」「新潟県村上市・胎内市沖」「長崎県西海市江島沖」の計3海域を再エネ海域利用法に基づく促進区域に指定した。このうち、秋田県沖にはこれまでに3つの事業体が名乗りを上げている。ラウンド1と同様に、今回も地元企業を巻き込んで激しい主導権争いが繰り広げられそうだ。(画像:促進区域に指定された「男鹿市、潟上市・秋田市沖」)

新たな指針をとりまとめ
年内に公募へ

経済産業省によると、「男鹿市、潟上市・秋田市沖」の対象海域は約5315ヘクタール。
去年9月、地元との調整などが進んでいると判断した有望区域に指定され、今年1月に再エネ海域利用法に基づき、漁業関係者や地元自治体などで組織する法定協議会が設置された。促進区域の指定にあたっては、法定協議会が今年8月、「異存はない」との意見をとりまとめている。促進区域に指定されるのは、秋田県内では「能代市・三種町、男鹿市沖」「由利本荘市沖」「八峰町・能代市沖」に続いて「男鹿市・潟上市・秋田市沖」が4カ所目となる。

経済産業省と国土交通省は今年3月、エネルギー安全保障の観点から洋上風力発電の事業者を公募で選ぶ場合の評価基準を見直すと発表した。両省は、今後新たな公募の指針をとりまとめる。その指針のもとで、すでに事業者を公募していた「八峰町・能代市沖」も合わせ、年内に計4海域の公募を始める見通しだ。

3事業体が
環境影響評価手続き

「男鹿市・潟上市・秋田市沖」の促進区域

「男鹿市・潟上市・秋田市沖」には、これまでにコスモエコパワー、三菱商事などで構成する合同会社と、三井物産、大阪ガスなどの企業連合、それに東京電力リニューアルパワー(東電RP)の3つの事業体が参加の意思を表明し、環境影響評価手続きを進めている。

このうち、コスモエコパワー、三菱商事パワーシステムズ、ウェンティ・ジャパン(秋田市)の3社で構成する「秋田中央海域洋上風力発電合同会社」は、最大出力40万キロワットの発電事業を計画している。28年春ごろ基礎工事に着手し、29年ごろから試運転を始める予定。今年1月、環境影響評価法に基づく方法書を公表した。方法書によると、事業の想定区域は5569ヘクタール。岸から1キロ以上離れた海域に、出力9525~1万5000キロワットの風車を最大42本設置する。

また、三井物産、大阪ガス、ノースランド・パワー(カナダ)、ユナイテッド計画(秋田市)の4社による企業連合は、最大出力40万キロワットの発電事業を計画している。出力9500~1万5000キロワットの風車を最大42本設置する。去年8月から9月にかけ環境影響評価法に基づく計画段階環境配慮書の縦覧を行った。4社による企業連合は 今年5月、再エネ分野における産学連携に関して、秋田県立大学と覚書を、秋田大学と協定書を締結した。具体的には、参加各社による大学生に対する講義や、寄付講座の導入、フィールドワーク、共同研究、インターンシップ受け入れなどを検討する。

東電RPは、29日に参加の意思を表明し、経済産業省と秋田県に環境配慮書を送付した。計画によると、最大出力は40万キロワットで、風車の数は20~40基程度を見込んでいる。岸から1.1キロ以上離れた海域に風車を設置し、30年以降に運転を開始する予定。

ラウンド2も
先の見えない展開へ

ラウンド1の舞台となった秋田県南部の由利本荘市沖

洋上風力発電の公募のラウンド1では、三菱商事を中心とする企業連合が、秋田県沖と千葉県沖の計3海域をすべて落札し、各方面に波紋を広げている。ラウンド1を制した三菱商事とウェンティ・ジャパンは、その勢いに乗ってラウンド2の「男鹿市、潟上市・秋田市沖」で連覇を目指す。これに対して三井物産、大阪ガスなどの企業連合は、地元の2大学との産学連携を打ち出し地域貢献をアピールする。東電RPは、今後どのような地域共生策を打ち出すのか?

ラウンド2で事業者を同時に公募する秋田県の「八峰町・能代市沖」には、これまでに5つの事業体が参加の意思を表明し、激戦の様相を呈している。年内に公募が始まる見通しのラウンド2は、新たな指針のもとで行われるため、前回以上に先の見えない展開が予想される。


取材・文/高橋健一

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