注目キーワード

English 日本語

業界トピック

「有望な区域」の整理に向けて 国が発電事業者から情報提供の受け付け開始

経済産業省と国土交通省は、洋上風力第4ラウンドの「有望な区域」の整理に向けて、事業を計画している発電事業者を対象に7月5日から情報提供の受け付けを開始した。

<目次>
1.都道府県を対象に5月10日まで情報提供を求める
2.発電事業者を対象に情報提供の受け付け開始

 

都道府県を対象に
5月10日まで情報提供を求める

促進区域指定・事業者公募のプロセスの流れ(出典 経済産業省)

促進区域指定・事業者公募のプロセスの流れ(出典 経済産業省)

再エネ海域利用法では、洋上風力発電の整備を優先的に進める「促進区域」の指定にあたって、既存の文献やデータベースのほか、都道府県などから情報収集を行うこととしている。これらの情報を踏まえ、早期に促進区域に指定できる見込みがあり、より具体的な検討を進めるべき区域を「有望な区域」として整理している。

国は、洋上風力発電の導入可能性エリアの位置情報や漁場利用、船舶航行、海底ケーブルに対して配慮すべき条件などについて、5月10日までに国へ情報提供するよう求めていた。すでに「一定の準備段階に進んでいる区域」に整理されている都道府県も、「有望な区域」に選定されるための課題を解決するための施策を加えて、あらためて国へ情報提供する必要がある。「有望な区域」に整理されると、「促進区域」への指定に向けて法定協議会が設置される。

発電事業者を対象に
情報提供の受け付け開始

久慈市沖

「有望な区域」への昇格を目指す岩手県久慈市沖

経済産業省と国土交通省は、再エネ海域利用法に基づいて事業を計画している発電事業者を対象に情報提供の受け付けを開始した。情報提供の受け付け期間は、7月5日(金)から8月2日(金)まで。

提供した情報は、原則として非公表とし、第三者委員会への諮問や政府内部(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構を含む)での検討などに必要な範囲に限定して取り扱うこととしている。

情報提供の内容は、「発電事業計画区域」、「想定する事業計画規模・面積」、「事業体制、スケジュールの概要」、「接続契約にかかる調整状況」、「想定する発電設備の機種、定格出力及び基数」、「受電電圧・連系点」、「最大受電電力ファーム型接続・ノンファーム型接続の別」、「運用上の制約」、「アクセス設備の運用開始可能日」、「発電設備などの連系開始可能日(営業運転)」、「工事費負担金契約の締結の有無」、「工事費負担金の総額」、「所要工期」、「再エネ海域利用法に基づき実施される占用公募に対して、自社が確保する系統の提供の意思や条件」などとなっている。

調査関連については、「風況、海底地質などの調査の実施状況」、「環境影響評価に係る手続の状況」の記載を求めている。建設やメンテナンスで使用する港湾については、「港湾名・埠頭名」、「想定する港湾の利用期間」を記載するよう要望している。さらに、地元との協議については、「地元関係者との接触状況」、「関係地方公共団体との接触状況」の記載を求めている。

発電事業者からの情報提供は、締め切り後も随時受け付けている。ただ、2024年の有望区域の整理時の対象となる系統情報の提供を行う場合には、8月2日の締め切りまでに提出を依頼している。

DATA

「有望区域」などの整理に係る事業者からの情報提供の受け付けについて


取材・文/高橋健一

関連記事

経済産業省
千葉県旭市沖
北海道庁
第4ラウンド
広告お問い合わせ

アクセスランキング

  1. 「WFOアジア洋上風力サミット2025」、7月2日、3日に東京で開催 ~ 着床式・浮体式洋上風力の商業規模の導入拡大に向けた議論 ~...
  2. 【深堀り解説】浮体式の新たな動きが活発化、技術研究組合の設立や電気運搬船構想...
  3. 【特集】洋上風力「第4ラウンド」の動向まとめ 異例の展開のラウンド事業の行方は?...
  4. 【洋上風力第4ラウンド】千葉県旭市沖 洋上風力の事業化に向けて国に情報提供...
  5. 秋田市の風車ブレード落下、15年前にも落下事故 経産省が現地調査を開始...
  6. 【洋上風力第2ラウンド】ベスタス 三菱電機、富士電機と風車部品を共同開発...
  7. 【洋上風力第4ラウンド】岩手県久慈市沖浮体式計画で国に情報提供 事業推進を前提に地元漁協が法定協参加に同意...
  8. 武藤経産相「事故原因の究明を踏まえて必要な安全対策を検討」
  9. 風力発電の2024年導入量は過去最高 今後は増加率の低下を懸念
  10. 北九州市響灘沖、国内初のバージ型浮体式洋上風車の商業運転開始

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.08 | ¥0
2025/2/19発行

お詫びと訂正