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洋上風力第2ラウンド 秋田県八峰町、能代市沖 、JRE、東北電力連合が選定事業者に

経済産業省と国土交通省は3月22日、洋上風力第2ラウンドの「秋田県八峰町、能代市沖」について、ジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)を代表企業とする合同会社八峰能代沖洋上風力を発電事業者に選定したと発表した。

公募が一時中断する
異例の展開

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「秋田県八峰町、能代市沖」の促進区域(出典 経済産業省)

「秋田県八峰町、能代市沖」は、青森県と接する八峰町南部から能代市北部にかけての海域。公募占用指針によると、促進区域の面積は3239.4ヘクタール。

「秋田県八峰町、能代市沖」は2021年9月に洋上風力発電施設を優先的に整備する「促進区域」に指定された。2021年12月に発電事業者の公募をいったん開始したが、国が2022年3月に評価基準を見直す方針を示したことに伴い、事業者の公募が実質的に中断し、2022年12月から公募を再開していた。

洋上風力第2ラウンドは、昨年12月に「秋田県男鹿市、潟上市、秋田市沖」、「新潟県村上市、胎内市沖」、「長崎県西海市江島沖」の計3海域の事業者が選定されている。「秋田県八峰町、能代市沖」は、港湾利用の重複に伴い、事業者の選定が延期され、異例の展開が続いていた。

運転開始予定時期は
2029年6月

秋田県八峰町、能代市沖の評価結果(出典 経済産業省)

秋田県八峰町、能代市沖の評価結果(出典 経済産業省)

経済産業省と国土交通省は3月22日、洋上風力第2ラウンドの「秋田県八峰町、能代市沖」について、「合同会社八峰能代沖洋上風力」を発電事業者に選定したと発表した。合同会社八峰能代沖洋上風力は、ジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)、イベルドローラ・リニューアブルズ・ジャパン、東北電力の3社で構成する特別目的会社。代表企業のJREは、ENEOSグループの再エネ事業会社。イベルドローラ・リニューアブルズ・ジャパンは、スペインに本社があるイベルドローラの日本法人。事業計画によると、発電設備は着床式。発電設備出力は37万5000kW (1万5000kW×25基、Vestas製)。運転開始予定時期は2029年6月。

秋田県八峰町、能代市沖には、3つの事業体が公募に参加した。第2ラウンドの評価基準によると、評価点は「価格点」と「事業実現性評価点」がそれぞれ120点で計240点。このうち、価格点は、最も低い価格で応札した事業体に、満点の120点が与えられる。3つの事業体は、いずれも実質的な下限価格であるゼロプレミアムの3円/kWh以下で応札したため、価格点では差がつかず、結果として運転開始時期が最も早い合同会社八峰能代沖洋上風力が選定された。合同会社八峰能代沖洋上風力は、ゼロプレミアムの3円/kWhで応札した。

公募参加を見送る
事業体が相次ぐ

八峰町 能代市沖

「秋田県八峰町、能代市沖」は、Vestas製の風車を採用

洋上風力第2ラウンドでは、1つの事業体が大半の対象海域を落札しないよう、1事業体あたりの発電・送電容量の上限を計100万kWとする落札制限を設けていた。この影響もあって、環境影響評価を事前に実施したにも関わらず、公募参加を見送る事業体が相次いだ。

入札の結果、4海域でそれぞれ別々の事業体が選定され、風車メーカーは、「秋田県八峰町、能代市沖」と「秋田県男鹿市、潟上市、秋田市沖」、「長崎県西海市江島沖」がVestas。新潟県村上市、胎内市ではGEが採用された。第1ラウンドで秋田、千葉の計3海域を落札した三菱商事は、第2ラウンド4海域の入札に参加しなかった。

DATA

「秋田県八峰町、能代市沖」における洋上風力発電事業者の選定について


取材・文/高橋健一

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