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長崎県壱岐市、利害関係者との調整などに国の積極的な関与を要望

長崎県は今年度、壱岐市沖の洋上風力発電について、国への情報提供を見送った。壱岐市では、漁業者との調整や防衛関係施設への影響調査について、国の積極的な関与を求めていくことにしている。

県が国への情報提供を見送り
漁業者調整と防衛施設への影響で

長崎県壱岐市は、周辺の5海域を洋上風力発電の導入可能性エリアとして検討を進めていた。導入可能性エリアとは、関係機関から洋上風力発電の導入について協議を続けることに一定の理解を得られた海域だ。昨年4月、壱岐市は県へ導入可能性エリアの情報提供を行った。(参考:壱岐市、周辺5海域を導入可能性エリアとして承認 長崎県へ情報提供

しかし、国への情報提供の期限である5月10日、県は壱岐市についての情報提供を見送ると判断した。県は、その理由について「令和5年度 壱岐市洋上風力発電等導入検討協議会」で説明した。

国への情報提供を見送った理由は主に2点。1点目は、共同漁業権の外部における関係漁業者との調整が十分に行われていないと判断したこと。2点目は、導入可能性エリアの中に防衛施設への影響が生じると判断された海域があることだ。

防衛省へのヒアリング踏まえ
影響あるエリアを除いて再検討へ

壱岐市によると、関係漁業者との調整に関して、「壱岐市以外の漁業者との調整が十分ではなかった」という。共同漁業権の外部の漁場では、壱岐市以外の行政区域に属する漁業者も漁業を営んでいる。そうした漁業者との調整が足りていないと判断されたという。

国境に近い壱岐市には防衛関係施設があり、島の西側海域には防衛省のレーダーや通信施設が集中している。壱岐市が防衛省・防衛政策局にヒアリングしたところ、導入可能性エリアの2海域に関しては、風車の高さや設置する間隔を変更したとしても、全域が「影響あり」と回答されたという。また、東側海域の導入可能性エリアの一部も、西側海域と同様の理由で「影響あり」との回答だったとしている。

今回の結果を受けて、壱岐市では、 漁業者などの利害関係者の特定や合意形成にあたって、国の積極的な関与を求めていく方針だ。壱岐市SDGs未来課は、「県の判断を踏まえて、もう一度、導入可能性エリアを選び直すところからスタートしたい。防衛関連施設への影響調査についても、国の積極的な関与をはたらきかけていきたい」と話している。国境に近い地域や離島では、関係漁業者に加え、防衛関連施設との調整も必要になるという課題が浮き彫りになった。

DATA

壱岐市ホームページ


取材・文:山下幸恵(office SOTO)

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