注目キーワード

English 日本語

業界トピック

【洋上風力第2ラウンド】ベスタス 三菱電機、富士電機と風車部品を共同開発

大手風力発電機メーカーのべスタスは4月23日、三菱電機と洋上風車用国産スイッチギアの開発および供給に関わる覚書、富士電機と海外市場向けの陸上・洋上風車用パワー半導体の開発に関わる合意書を交わした。

メイン画像:秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖

<目次>
1.秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖 2028年6月に運転開始予定
2.スイッチギアとパワー半導体を共同開発

 

秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖
2028年6月に運転開始予定

ベスタス(本社:デンマーク)は、日本において1993 年に最初の風力発電機を納入して以降、秋田県の秋田・能代港湾区域を含めて、これまでに風力発電機の設置容量が 1.5GW以上に達している。洋上風力第2ラウンドでは、秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖でベスタス製の風車の採用が決まっている。同じく第2ラウンドの秋田県八峰町・能代市沖と長崎県西海市江島沖でも同社製の風車が採用される予定だ。

秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖は、ラウンド事業のなかで最も早く2028年6月に運転開始する予定。事業計画によると、発電設備は着床式。発電設備出力は31万5000kW (1.5万kW×21基、Vestas製)。対象海域は5315.3ha。供給価格は、ゼロプレミアムの3円/kWh。

 

 

スイッチギアと
パワー半導体を共同開発


三菱電機と合意書を締結(写真提供 ベスタス)

秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖でベスタスは、洋上風車の受配電に関わる「スイッチギア」を三菱電気と共同開発する。また、富士電機とのあいだで海外市場に向けて、陸上・洋上の風車の電力制御を行う「パワー半導体」を共同開発する。

三菱電機エネルギーシステム事業本部長上席執行役員の濱本総一氏は、「ベスタスのグローバルサプライヤーとして風力サプライチェーンの構築を支援するとともに、風力発電の一翼を担うことで再生可能エネルギーの最大化と系統を含めた電力システムの統合により社会全体の脱炭素の実現に貢献します」とコメントしている。


富士電機と覚書を締結(写真提供 ベスタス)

富士電機常務理事産業事業部長の井川修氏は、「ベスタスのグローバルサプライチェーンに向けて高出力・高効率なパワー半導体を開発・供給することで、日本のそして世界の洋上風力プロジェクトに貢献していきたい」としている。

ベスタスのバイスプレジデント、APAC 調達ヘッドのラファエル・フオ氏は、「世界的に洋上風力発電の大規模導入が予定されているなか、べスタスが持続可能で競争力のある風力サプライチェーンを構築するためには、高い技術力を持つ日本のサプライヤーの協力が欠かせません。三菱電機と富士電機には、これまでの貴重な取引関係に感謝するとともに、本日また新たな協力の覚書と合意書を締結できたことを、たいへんうれしく思います。日本、そしてグローバルにおいて持続可能な風力エネルギー産業を推進していくため、これからも共に取り組んでいくことを楽しみにしています」と
コメントしている。

DATA

ベスタス、日本のサプライヤーとの協力を強化し、持続可能な風力エネルギー産業を推進


取材・文/高橋健一

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.09 | ¥0
2025/9/17発行

お詫びと訂正

広告お問い合わせ

アクセスランキング

  1. 【洋上風力の事業環境整備】事業実現性の適切な評価とサプライチェーン形成の定義の明確化を要望
  2. 【洋上風力第1ラウンド】3海域の再公募手続きが動き出す、情報提供の申請受け付け開始
  3. 全国洋上風力市町村連絡協の斉藤滋宣会長 次期能代市長選に立候補せず
  4. 【洋上風力第1ラウンド】年明け以降に再公募を実施へ 応札価格に下限と上限を設定
  5. 長崎県五島市沖の浮体式洋上風車 来年1月稼働へ建設大詰め、大型量産化に対応した技術開発も
  6. 【参加受付中!】第5回WINDビジネスフォーラム 「風力発電の安全対策とサプライチェーン構築」
  7. 秋田市 ブレード落下事故を受けて独自の安全確保策を検討
  8. 【洋上風力】事業環境整備の見直し案を公表 第2・第3ラウンド事業者に長期脱炭素電源オークションへの参加容認
  9. 【洋上風力第2ラウンド】秋田県男鹿市・潟上市・秋田市沖 3年後の運転開始に向け陸上工事が本格化
  10. 【特集】洋上風力「第4ラウンド」の動向まとめ 異例の展開のラウンド事業の行方は?

フリーマガジン

「WIND JOURNAL」

vol.09 | ¥0
2025/9/17発行

お詫びと訂正