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丸紅 秋田県沖の洋上風車が本格稼働

丸紅などの13社が出資する秋田洋上風力発電(秋田市)が秋田県の秋田、能代港湾区域に設置していた33基の洋上風車が1月31日から本格稼働した。去年12月に運転を開始した能代港湾区域の20基の洋上風車に続いて、秋田港湾区域の13基が操業を始めたもので、固定価格買取制度に基づく国内初の大規模商業運転が本格的に動き出した。

洋上風力発電
新時代の幕開け


秋田港湾区域で運転を開始した洋上風車=1月31日

海面からの高さは約150メートル。ブレード(羽根)は1枚の長さが57メートルに達する。洋上風車が本格稼働した31日の秋田市は、この季節にしては珍しく晴れ間が出て時折太陽が顔をのぞかせた。沖合から吹き付ける風を受けて、洋上の風車が勢いよく回転し、新時代の幕開けを実感させられた。「秋田港の周辺では、大規模製紙工場や石炭火力発電所の計画が次々に立ち消えになった。洋上風力発電の計画も当初は夢物語だと思っていたが、ようやく現実のものとなった」。秋田港の近くの観光施設で働く男性が海を見つめながら笑顔をみせた。秋田県能代市や男鹿市では、洋上風車を新たな観光スポットにしようという機運が高まっている。

総事業費が約1000億円の大規模プロジェクト。洋上風車の最大出力は合計約14万キロワットで、一般家庭約13万世帯分に相当するが、これまでのところ大きなトラブルは報告されていないという。発電した電力は今後20年にわたり、固定価格買取制度を活用して東北電力ネットワークに売却する。1キロワット時あたりの売電単価は36円。秋田洋上風力発電の岡垣啓司社長は、「この日を目指して事業を進めてきたので、風車が回るのを見て感無量だ。今後20年間にわたり、能代港を拠点とした運転保守体制のもと、安定的に発電して地域の活性化に貢献したい」と話している。

秋田洋上風力発電は、丸紅、大林組、東北電力、コスモエコパワー、関西電力、中部電力、秋田銀行(秋田市)、大森建設(能代市)、沢木組(男鹿市)、 協和石油(秋田市)、加藤建設(男鹿市)、寒風(男鹿市)、三共(にかほ市)の13社が出資して、2016年4月に設立された。陸上工事は2020年3月から2021年9月まで。洋上工事は2021年3月にスタートした。洋上に設置された風車は、デンマークの大手風車メーカー、べスタス製。今後は、最長20年にわたって同社日本法人のべスタス・ジャパンが洋上風車の保守点検を担当する。メンテナンス作業員を風車まで運ぶ輸送船の運航は、Akita OW Service(能代市)が担う。同社は、大森建設と沢木組、秋田海陸運送(秋田市)、東京汽船の4社が出資し、2019年10月に設立した。

丸紅 第2ラウンドで
隣接海域に参入


秋田港湾区域に隣接する「男鹿市、潟上市、秋田市沖」

丸紅は秋田、能代港湾区域で大規模商業運転を開始した経験と実績を生かして、洋上風力発電の2回目の公募「第2ラウンド」で事業受託を目指している。丸紅と東京ガスは2022年11月、秋田港湾区域に隣接する「秋田県男鹿市、潟上市、秋田市沖」への参入の意思を表明し、環境影響評価の手続きを進めている。男鹿市から秋田市にかけての水深10メートル以上の海域に洋上風車を設置する計画だ。「男鹿市、潟上市、秋田市沖」には、これまでに5事業体が参入し激しい主導権争いを繰り広げている。

第2ラウンドでは、前回と同様に「売電価格の安さ」が評価点全体の5割を占める。丸紅は、「男鹿市、潟上市、秋田市沖」に隣接する秋田港湾区域の運転保守体制を活用すれば、発電コストの圧縮が期待できる。能代港湾区域に隣接する第2ラウンドの「秋田県八峰町、能代市沖」で丸紅がどのような動きをみせるのか、同海域の公募の行方に影響を与えそうだ。


取材・文/高橋健一

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