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洋上風力「促進区域」の8市町が協議会、「漁業との共生」や雇用・地域経済発展に期待

「脱炭素社会」の実現に向けて国が再生可能エネルギー導入の「切り札」と位置付けているのが洋上風力発電。この普及を積極的に推進する全国の8自治体が協議会を立ち上げた。8自治体の首長はそろって、それぞれの地元で「漁業との共生」を図りつつ雇用促進ひいては地域経済の発展に向けて洋上風力発電プロジェクトが「追い風」となることへの強い期待を表明した。

8市町が参加した
「全国洋上風力発電市町村連絡協議会」

国は再エネ海域利用法に基づき、全国で洋上風力発電の「促進区域」を指定して事業者の公募などを行なっている。今回立ち上げられた「全国洋上風力発電市町村連絡協議会」には、この「促進区域」を持つ秋田県の能代市、男鹿市、由利本荘市、八峰町と三種町、千葉県の銚子市と旭市、そして長崎五島市の計8市町が参画した。

協議会は7月28日に設立総会を開催。会長に就任した秋田県能代市の齊藤滋宣市長は「風力発電が、いわゆる今のカーボンニュートラル、CO2を削減するということで国是になってきている。追い風になったと思っている」と指摘。「特色ある町作りをするためにも、この風をうまく活用しながら、しっかりと町作りをしていくことがこれから求められていく」と語った。

齊藤市長はその上で「それぞれの特色のある風をどう活用していくかという共通の課題を持っている」とも言及。「情報交換しながら互いに切磋琢磨し、勉強しながらプラスになるよう、風力をそれぞれの地域の発展につなげていくような体制をしっかりと作っていきたい」と語り、協議会立ち上げの意義を強調した。

秋田県由利本荘市の湊貴信市長は「漁樵効果が非常に高い可能性がある。ハタハタなどが最近なかなか獲れたり、獲れなかったりと不安定なところもあり、洋上風力が一つの安定した産業としてやっていけるのではないかということで大変期待している」と話した。

秋田県男鹿市の菅原広二市長も「男鹿市は秋田県の漁獲高の半分以上があるところだ。ハタハタをはじめ漁業の停滞は著しいものがある。何とか洋上風力をきっかけに、スマート漁業によって、作り育てる漁業を進めていけないかなと期待している」と語った。

これを受けて、能代市の齊藤市長は「漁業をされている皆さんには大変ご心配を掛けているが、互いにウィン・ウィンの関係になるようしっかり努力していきたい」と強調した。

着床式洋上風力発電プロジェクトに対する
市長らの意見

記者会見では、「秋田県能代市、三種町及び男鹿市沖」、「秋田県由利本荘市沖」、「千葉県銚子市沖」の3海域での着床式洋上風力発電プロジェクトの事業者にいずれも三菱商事を含むコンソーシアムが選ばれたことについて発言が相次いだ。

能代市の齊藤市長は「思ったよりも安い値段で取ら(落札さ)れたことで、おそらく、今まで手を挙げたいと思った事業者の中には『少し大変だな』と思っている人もいるのではないか」と語り、低価格となったことへの懸念を示した。秋田県由利本荘市の湊貴信市長も「大変、金額が想定以上に安かったという思いがあった」と話した。

「秋田県能代市、三種町及び男鹿市沖」の固定価格買取制度(FIT)による買取価格は13.26円/kWh、「秋田県由利本荘市沖」は11.99円/kWh、「千葉県銚子市沖」は16.49円/kWhと低価格となった。着床式洋上風力発電のFITによる買取価格は当初から2019年度まで36円/kWhに設置されていたが、翌2020年度から今回の3海域に関して上限価格が29円/kWhに引き下げられていた。この状況下、今回の入札では3海域の価格は20円台/ kWhを大幅に下回る結果となった。

他方、由利本荘市の湊市長は「(買取)金額もそうだが、稼働までの間に、業者に地域貢献を進めていただけないものかなと思っている」と話し、事業者が風力発電事業以外でも地域振興に貢献できるスキームの構築が重要だとの持論を披露した。

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